借方・貸方

借方・貸方はどっち?簿記3級で迷った時の見分け方

借方・貸方を丸暗記だけで決めようとして止まる人向けに、増減と分類から片側を決める見方を整理します。

最初から左右を当てようとしない

仕訳で止まりやすいのは、問題文を読んだ瞬間に「借方はどれ、貸方はどれ」と両方を同時に決めようとする時です。

最初から左右を完成させようとすると、相手科目が分からないだけで全体が止まります。まずは片側だけで十分です。何が増えたのか、何が減ったのかを見つけると、入口が作れます。

借方・貸方は、単なる左右の名前です。大事なのは「その科目が何に分類されるか」と「増えたのか、減ったのか」です。

増えた時・発生した時の置き場所

まず、増えた時や発生した時の置き場所を大きく押さえます。

分類 増えた時・発生した時
資産 借方 現金、売掛金、備品
費用 借方 仕入、給料、通信費
負債 貸方 買掛金、借入金
純資産 貸方 資本金
収益 貸方 売上、受取手数料

減った時は、この反対側に置きます。たとえば現金は資産なので、増えたら借方、減ったら貸方です。

よく出る例で見る

現金が増えた場合

現金は資産です。資産が増えた時は借方です。商品を現金で売り上げたなら、借方は現金、貸方は売上になります。

借方: 現金 貸方: 売上

現金が減った場合

現金は資産ですが、減った時は貸方です。備品を現金で買ったなら、借方は備品、貸方は現金になります。

借方: 備品 貸方: 現金

あとで払う義務が増えた場合

買掛金や借入金は負債です。負債が増えた時は貸方です。商品を掛けで仕入れたなら、借方は仕入、貸方は買掛金になります。

借方: 仕入 貸方: 買掛金

よくある間違い

「現金はいつも借方」と覚える

現金が増えた時は借方ですが、現金が減った時は貸方です。科目名だけで置き場所を固定しないことが大事です。

費用と資産を混ぜる

備品は資産、消耗品費は費用です。どちらも借方に出ることがありますが、意味は違います。何を買ったのか、すぐ使う費用なのか、長く使う資産なのかを分けます。

相手科目を暗記で決める

売上、仕入、買掛金、売掛金はセットで出やすいですが、問題文の条件によって変わります。現金取引か、掛け取引かを必ず見ます。

練習問題

問題1

商品を3,000円で販売し、代金はあとで受け取ることにした。

答え: 借方 売掛金 3,000 / 貸方 売上 3,000

あとで受け取る権利である売掛金が増えています。売掛金は資産なので借方です。商品を売ったので、売上は貸方です。

問題2

銀行から10,000円を借り入れ、現金で受け取った。

答え: 借方 現金 10,000 / 貸方 借入金 10,000

現金という資産が増えたので借方です。同時に、あとで返す義務である借入金も増えたので貸方です。

まとめ

借方・貸方で迷ったら、左右を一気に当てるのではなく、まず問題文の中で動いたものから片側を決めます。

見る順番は、科目を見つける、分類する、増減を見る、相手科目を探す、です。この順番を繰り返すほど、仕訳の判断が安定します。